他人と比べない生き方を

不安を作り出しているのは、あなたの頭の中だ・・・という文章に触れた。

 

不安は、あるべき姿とのギャップから生まれるそうだ。

 

それだけじゃないだろ、と突っ込みたくもなるが、

 

たしかに、あるべき姿を高く設定すると、出来てない自分に落ち込む。

 

そして、もう一歩、そこから思う。

 

あるべき姿を作り出しているのは何だ?

 

他人と比べてるんじゃないのか?常識とかもそうだけどさ。

 

ってことで、他人と比べない生き方をして、あるがまま、自分らしく生きる方が生きやすいんじゃないか?

 

そんなことを考えた2024年2月20日。了

映画『怪物』ネタバレあり感想/結末の解釈。伏線の解説。怪物は誰か?【初鑑賞後】

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映画『怪物』ネタバレあり感想/結末の解釈。伏線の解説。怪物は誰か?初鑑賞後に思ったあれこれ。

映画『怪物』を見てきました。公開日は大雨だったため断念し、翌日の3日、土曜に干渉しました。

当記事はネタバレありです。ご注意ください。

 

映画『怪物』とは?

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映画『怪物』 は監督・是枝裕和万引き家族) × 脚本・坂元裕二(花束みたいな恋をした)日本屈指の映像作家&ストーリーテラー、夢のコラボレーション実現!

2023年6月2日(金)から公開。

【あらすじ】大きな湖のある郊外の町。息子を愛するシングルマザー、生徒思いの学校教師、そして無邪気な子供たち。それは、よくある子供同士のケンカに見えた。しかし、彼らの食い違う主張は次第に社会やメディアを巻き込み、大ごとになっていく。そしてある嵐の朝、子供たちは忽然と姿を消した――

結末の解釈

 

ある嵐の朝、子供たちは忽然と姿を消した――

 

湊の母と先生が必死になって子供たちを探しにいきます。そしてたどり着いたのは廃バスで・・・。という、気になるところで、子供たちの視点へ。

 

湊は台風の中、星川くんの家へ行きます。そしてお風呂場で、気を失いかけている星川くんを発見。2人は自転車を走らせ廃バスへ。2人はバスの中から土砂崩れであろう轟音を聞きます。「出発するのかな?」と運転席側へ移動する2人。

 

その後、2人は、トンネル?暗闇?抜け道?(この場面、うろ覚えです)を抜けていき、反対側に出たのか、嵐が去った明るい陽射しの森へ。

 

ここで「生まれ変わったのかな?」「そういうのはないよ」との2人の会話があります。

 

そして2人は泥だらけのまま晴れた森を「わー」「わー」と大声で叫びながら無邪気に駈けて行きます。ここで物語は終わり、エンドロールへ。

 

え?????

 

ここで終わるの???母たちが廃バスで見たものは映さないんだ・・・。

 

私は、茫然自失のまま、エンドロールを眺めることに・・・

 

なぜか切ない余韻が・・・

 

どうして切なく感じてしまったのか。直感的にです。

 

ああ、子供たち亡くなってしまったんだと思ったから。

 

湊の母・早織と保利先生が廃バスの泥だらけの窓を開けて中を見る場面が、土砂崩れに飲み込まれてバスが横転してしまった感じなんですよね。

 

→ということは、湊と星川くんは土砂に埋もれて亡くなっている?!

→ということは、湊と星川くんが快晴の森ではしゃぐ場面は、天国であり、あの世…なのかも。

 

でも、でもですよ。2人は夢を見ているだけ、気を失っているだけの可能性も残しています。子供が亡くなるのは描きたくないので、その結末はぼかしているんだと思います。

 

ノベライズ版やシナリオ本、2回目見たときの印象はまた違うかもしれませんが・・・

 

初見の感想では、感触では・・・2人は亡くなったのかなあと思いました。でも、ちょっと待てよ。と鑑賞後、しばらくして、湊の母・早織と保利先生が廃バスで何を見たかは示されてないじゃないかと思い直します。

 

私は、2人は夢を見ているだけ・・・という結末の解釈をしたいなと思います。その方が希望があるなあと思うから。あれが天国のシーンならば、つらすぎるから。

伏線の解説

多くの伏線がある本作。気づいた点をみていきます。

■湊のスニーカーが片方なくなったのは、黒川くんに片方を貸したから。

■風呂場で髪を切ったのは・・・星川くんに髪を触られたことで感じた思いを振り切りたかったのかな?女の子みたいだから切りたくなったのかな?

■水筒に泥が入っていた謎・・・猫の火葬で火事になるのを避けるため、消火のために、泥水をくんだから。

■校長と孫の写真の向きの違和感(校長の机からは見えない向き)・・・早織にプレッシャーをかけるために、あえて。

■湊と星川くんの喧嘩・・・星川くんとの関係がバレそうになったから。

■湊の教室での暴走・・・星川くんがからかわれてたから、気をそらすため。
■保利先生が飴をなめた理由・・・なめた態度をとって、自分は悪くないということを伝える、せめてもの抵抗?

怪物とは誰か?

タイトルの意味する怪物の正体とは誰か?

実は、映画では、明確な答えがないのです。

私の解釈では・・・人間すべて怪物な面があるです。

ストーリー的には、同性が好きなメインの少年2人が自分のことを「怪物」と思っているのだと思いますが・・・

母親は(教師から見たら)モンスターペアレント。つまり怪物。
■母親からみた教師たちは話が通じない怪物。世間体が一番大事な怪物。
■いじめをする小学生=モンスター。
■親からみて不可解な行動をする小学生も怪物。
■息子を「豚の脳」が入ってると言って、虐待する父も怪物。
■息子に「普通の」幸せを願う母も怪物。(これは言いすぎか?)
■真実をつかまず断罪するメディア、マスコミも怪物。
■夫に罪をなすりつけ、人の心を失くした抜け殻のような校長も怪物。

 

私は、ある女の子も気になりました。星川くんだちが猫をいじめてたと先生に告げ口して、その後、立場が悪くなった先生に教えてくれたことを「証言してほしい」と言われると「知らない」と答えた女の子。

これってオトナになってもあるあるです。日和見主義(ひよりみしゅぎ)。自分に都合のよいほうへつこうと、形勢をうかがって態度を変えています。

人間は「考える」ことで人間になるのだから、自分の判断や方針をもたず,大勢に引きずられて無原則的に行動するのは・・・機械といっしょ。動物といっしょ。モンスターともいえるのではないか?といったら厳しすぎるでしょうか。

初鑑賞後の印象的な台詞2選

印象的な言葉が2つあります。

ひとつは・・・母親の早織が「湊がふつうに結婚して子供を持つまでは頑張るってお父さんに約束してる」と運転しながら助手席の湊へ言うシーン。

しかし「僕はお父さんにはならない」と言った湊の声は騒音にかき消されていました。

 

お父さんはどういう人だった?・・・真実かは不明ですが、事故死した湊の父は不倫旅行中だったらしいです。家族を裏切ったということ。

 

また、早織の望む「幸せな家庭」には、なれない。同性が好きだから。という意味もあうことでしょう。

 

二つ目は、校長先生が音楽室で言ったセリフです。

「誰かにしか手に入らないものは幸せとは言わない。誰でも手に入るものを幸せという」

 

直前。湊が好きな子がいるのに「嘘をついた」旨を述べており、それに対して校長先生は「しょうもない。しょうもない。しょうもない。そんなもの。」とつぶやきます。その上での「誰かにしか…」という言葉です。

 

誰かにしか手に入らないものとは・・・(湊にとっての)異性同士の結婚。幸せ。そんな世の中に迎合して、自分を偽って合わせるのなんてしょうもない。ってことかな。

誰でも手に入るものが幸せ。・・・幸せって、世界を敵に回さなくてはいけないものではないのだと思います。特別なものではないのだと思います。

・・・なんだか坂元節が炸裂な言葉で、終わってからも考えてしまいます。これは私の感想なので、あしからず(笑)

映画感想/『ハケンアニメ!』が熱かったという話

 画像出典:https://haken-anime.jp/

 

はてなブログ始めます。

 

6月1日、映画サービスデーに映画『ハケンアニメ』を見てきました。

 

熱かった!!

 

プロデューサーや下請け事務所、役所の人、声優、制作陣、小学生、すべての人がそこに生きていた。

 

特に「日本一の客寄せになる」「食い物になる」って宣言は泣きました。

 

他にもいっぱい見どころあり。 でも働きすぎ(笑)、下町ロケットもだけど美談にしちゃダメだけど、本気さは伝わった。

 

語り足りないので・・・初めて「はてなブログ」を始動。

 

ハケンアニメのあらすじ

 

「あらすじ」は、こんな感じ↓

 

直木賞作家・辻村深月がアニメ業界で奮闘する人々の姿を描いた小説「ハケンアニメ!」を映画化。地方公務員からアニメ業界に飛び込んだ新人監督・斎藤瞳は、デビュー作で憧れの天才監督・王子千晴と業界の覇権をかけて争うことに。王子は過去にメガヒット作品を生み出したものの、その過剰なほどのこだわりとわがままぶりが災いして降板が続いていた。プロデューサーの有科香屋子は、そんな王子を8年ぶりに監督復帰させるため大勝負に出る。一方、瞳はクセ者プロデューサーの行城理や個性的な仲間たちとともに、アニメ界の頂点を目指して奮闘するが……

ハケンアニメ! : 作品情報 - 映画.com

ハケンアニメの感想

書くことでしか生み出せない

「熱い」と先に書きましたが・・・

 

何が「熱い」のか。

 

最初にハッとさせられたシーンは、安売り店ドンキホーテのレシートから、王子千晴がハワイに行ってなかったと分かったときの。

 

ハワイ土産まで買ってきて、ごまかしたけど、たしかホテルで缶詰めになって、絵コンテ書き上げたんですよね。

 

王子は「気分転換なんかで」描けないと断言。書くことでしか・・・机にしがみついて描くことでしか描けないと言ってました。

 

「天才」だからハワイに行ってる間にパパっと描いたんだなあ。と騙されてしまいましたが・・・産みの苦しみの凄さを目の当たりにしました。

 

私はアニメよりテレビドラマをよく見ますが・・・みなさん、クリエイターは産みの苦しみを味わっているんだなあと思いましたよ。

 

これからアニメ・映画・ドラマを見るとき、敬意を払いたいと思います。

「日本一の客寄せになる」

声優・群野葵 役を本物の声優さんがしてるんですけど、斎藤瞳監督が何度も何度もダメ出しします。キャスティングも反対していたようです。

 

ルックスが売りのアイドルが声優に挑戦している…って感じだったのかなと思います。

 

のちに、和解するのですが・・・。

 

声優さんが役の気持ちを知りたくて・・・

 

ロケ地へ足を運んでいたことがきっかけ。

 

そのとき、群野葵は斎藤監督の気持ちをプロデューサーに聞いたから「じゃあ仕方ない」(うろ覚え笑)

 

と、受け入れてました。

 

そして・・・客寄せパンダなのは分かっている。だったら日本一の客寄せになる!と宣言。

 

なんでこの場面が涙腺刺激されたのか分からないんですけど、たぶん、本気で監督の為に、いや、アニメ作品のために、いや、誰かの支えになる作品を作るために・・・声優さんも本気になっているんだなと伝わったからですね。きっと。

かわいそうなんかじゃない

斎藤瞳監督は「食い物」いわゆる広告塔になっています。それを制作デスクと宣言マンの2人が「かわいそう」っていってしまいます。プロデューサーに使われて、と。

 

かわいそうなんかじゃない!」って、斎藤監督は怒りました。ついに爆発。

 

食い物なら食えるようにしてくれって怒りました。

 

この前に・・・2人が斎藤監督の陰口を叩いてたんですよ。

 

裏表がある人は、なんか、嫌いです。いや。

 

でも・・・そこにプロデューサーの行成がきてくれて、「お礼言いましたか」とスッとアドバイス

 

人が通るオフィスであんなに怒って、どうなるのか?と思っていたら、ホッとしました。

 

2人が雑誌撮影?についてきてくれたことを感謝しなさい、とプロデューサー。

 

大人の対応ですね。

 

誰かに届けたい

主人公・斎藤監督は、幼少期の自分へ、王子監督の映画を超えるようなアニメを届けたいという動機があります。

 

魔法なんかない。誰も救ってなんかくれない。と、あきらめてしまった幼少期。

 

でも・・・そんな幼少期の自分を、となり近所の子供・太陽くんに重ねます。

 

ラストで、太陽くんが斎藤監督のアニメを見てくれて、そのアニメごっこで元気に友達と走り回るシーンは胸熱です。

 

その喜びを、セリフじゃなくて、ベランダで洗濯もの干してたら、太陽くんの遊んでるところを目撃して、思わず泣いてしまう・・・という演出で、さらりと見せてくれるのが心地いい。

 

誰かに届けばいいと思っていた作品が、届いた瞬間。熱い。

 

実は視聴率は負けたんです。斎藤監督。

 

でもエンディング後のワンシーンで判明するのですが、円盤売り上げでは勝ちました。やったね!!

 

アニメ最終回はハッピーエンドではなかったんです。音が聞こえて記憶が戻ってではなく、失ったから見える世界があるというのを表現したんですね。たぶん。

 

リアルタイム視聴率で負けて失ったけれど、得たものがある・・・そんな斎藤監督とダブります。

 

王子監督のアニメの主人公を安易に死なせないで「生きる!」覚悟のラストも良かった。

 

アニメなんて嘘の世界です。でも、そんな嘘に救われることもある。

 

自分のことを分かってくれる作品に出合える・・・そんな瞬間がある。

 

この「ハケンアニメ」は、命を燃やして本気で誰かに届けたい、そんな作り手たちの物語ですけど・・・いろんな仕事にも当てはまりますよね。

 

下請けのオーバーワークは気になりますけど・・・まあ、人生にはそんな瞬間もあることっでしょう。

 

ともかく明日への活力がわく映画でした。(おわり)