映画感想/『ハケンアニメ!』が熱かったという話

 画像出典:https://haken-anime.jp/

 

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6月1日、映画サービスデーに映画『ハケンアニメ』を見てきました。

 

熱かった!!

 

プロデューサーや下請け事務所、役所の人、声優、制作陣、小学生、すべての人がそこに生きていた。

 

特に「日本一の客寄せになる」「食い物になる」って宣言は泣きました。

 

他にもいっぱい見どころあり。 でも働きすぎ(笑)、下町ロケットもだけど美談にしちゃダメだけど、本気さは伝わった。

 

語り足りないので・・・初めて「はてなブログ」を始動。

 

ハケンアニメのあらすじ

 

「あらすじ」は、こんな感じ↓

 

直木賞作家・辻村深月がアニメ業界で奮闘する人々の姿を描いた小説「ハケンアニメ!」を映画化。地方公務員からアニメ業界に飛び込んだ新人監督・斎藤瞳は、デビュー作で憧れの天才監督・王子千晴と業界の覇権をかけて争うことに。王子は過去にメガヒット作品を生み出したものの、その過剰なほどのこだわりとわがままぶりが災いして降板が続いていた。プロデューサーの有科香屋子は、そんな王子を8年ぶりに監督復帰させるため大勝負に出る。一方、瞳はクセ者プロデューサーの行城理や個性的な仲間たちとともに、アニメ界の頂点を目指して奮闘するが……

ハケンアニメ! : 作品情報 - 映画.com

ハケンアニメの感想

書くことでしか生み出せない

「熱い」と先に書きましたが・・・

 

何が「熱い」のか。

 

最初にハッとさせられたシーンは、安売り店ドンキホーテのレシートから、王子千晴がハワイに行ってなかったと分かったときの。

 

ハワイ土産まで買ってきて、ごまかしたけど、たしかホテルで缶詰めになって、絵コンテ書き上げたんですよね。

 

王子は「気分転換なんかで」描けないと断言。書くことでしか・・・机にしがみついて描くことでしか描けないと言ってました。

 

「天才」だからハワイに行ってる間にパパっと描いたんだなあ。と騙されてしまいましたが・・・産みの苦しみの凄さを目の当たりにしました。

 

私はアニメよりテレビドラマをよく見ますが・・・みなさん、クリエイターは産みの苦しみを味わっているんだなあと思いましたよ。

 

これからアニメ・映画・ドラマを見るとき、敬意を払いたいと思います。

「日本一の客寄せになる」

声優・群野葵 役を本物の声優さんがしてるんですけど、斎藤瞳監督が何度も何度もダメ出しします。キャスティングも反対していたようです。

 

ルックスが売りのアイドルが声優に挑戦している…って感じだったのかなと思います。

 

のちに、和解するのですが・・・。

 

声優さんが役の気持ちを知りたくて・・・

 

ロケ地へ足を運んでいたことがきっかけ。

 

そのとき、群野葵は斎藤監督の気持ちをプロデューサーに聞いたから「じゃあ仕方ない」(うろ覚え笑)

 

と、受け入れてました。

 

そして・・・客寄せパンダなのは分かっている。だったら日本一の客寄せになる!と宣言。

 

なんでこの場面が涙腺刺激されたのか分からないんですけど、たぶん、本気で監督の為に、いや、アニメ作品のために、いや、誰かの支えになる作品を作るために・・・声優さんも本気になっているんだなと伝わったからですね。きっと。

かわいそうなんかじゃない

斎藤瞳監督は「食い物」いわゆる広告塔になっています。それを制作デスクと宣言マンの2人が「かわいそう」っていってしまいます。プロデューサーに使われて、と。

 

かわいそうなんかじゃない!」って、斎藤監督は怒りました。ついに爆発。

 

食い物なら食えるようにしてくれって怒りました。

 

この前に・・・2人が斎藤監督の陰口を叩いてたんですよ。

 

裏表がある人は、なんか、嫌いです。いや。

 

でも・・・そこにプロデューサーの行成がきてくれて、「お礼言いましたか」とスッとアドバイス

 

人が通るオフィスであんなに怒って、どうなるのか?と思っていたら、ホッとしました。

 

2人が雑誌撮影?についてきてくれたことを感謝しなさい、とプロデューサー。

 

大人の対応ですね。

 

誰かに届けたい

主人公・斎藤監督は、幼少期の自分へ、王子監督の映画を超えるようなアニメを届けたいという動機があります。

 

魔法なんかない。誰も救ってなんかくれない。と、あきらめてしまった幼少期。

 

でも・・・そんな幼少期の自分を、となり近所の子供・太陽くんに重ねます。

 

ラストで、太陽くんが斎藤監督のアニメを見てくれて、そのアニメごっこで元気に友達と走り回るシーンは胸熱です。

 

その喜びを、セリフじゃなくて、ベランダで洗濯もの干してたら、太陽くんの遊んでるところを目撃して、思わず泣いてしまう・・・という演出で、さらりと見せてくれるのが心地いい。

 

誰かに届けばいいと思っていた作品が、届いた瞬間。熱い。

 

実は視聴率は負けたんです。斎藤監督。

 

でもエンディング後のワンシーンで判明するのですが、円盤売り上げでは勝ちました。やったね!!

 

アニメ最終回はハッピーエンドではなかったんです。音が聞こえて記憶が戻ってではなく、失ったから見える世界があるというのを表現したんですね。たぶん。

 

リアルタイム視聴率で負けて失ったけれど、得たものがある・・・そんな斎藤監督とダブります。

 

王子監督のアニメの主人公を安易に死なせないで「生きる!」覚悟のラストも良かった。

 

アニメなんて嘘の世界です。でも、そんな嘘に救われることもある。

 

自分のことを分かってくれる作品に出合える・・・そんな瞬間がある。

 

この「ハケンアニメ」は、命を燃やして本気で誰かに届けたい、そんな作り手たちの物語ですけど・・・いろんな仕事にも当てはまりますよね。

 

下請けのオーバーワークは気になりますけど・・・まあ、人生にはそんな瞬間もあることっでしょう。

 

ともかく明日への活力がわく映画でした。(おわり)